おみかん
a0121954_1872537.jpg瀬戸内海の生口島から毎年恒例のオレンジが届きました。有機農法で大切に作られるこのオレンジは、太陽を一杯受けさわやかな香りと、外国産とは違い、薄い外皮は嫌なエグ味も少ない上、ノンワックスでオレンジジャム(マーマレード)にピッタリ。1月中旬から2月までの期間限定で、この間はせっせとジャム作りに追われます。お陰でマーマレードが、あまり好みではなかったというスタッフにも「これなら私でも食べられる。」といった味に仕上がってます。



でも今回は、オレンジの話ではなくて、お伝えしたいのはミカンです。
ここ瀬戸田では国産オレンジも有名ですが、
一番メジャーなのはレモンとミカン。
例年、届けて下さる箱に、おまけにレモンが入っていたのですが
今回は初めてミカンが入ってました。

ミカンは小学校の冬休みの時、親指が真っ黄色になるまで食べ続け、
お腹を壊して以来実に長い間、口にした事が殆どありません。
しかし折角送ってくれたのだからと、皮をむいてポイッと口にいれると
「おおっ。美味しいんちゃうん。」と、びっくり。

でも、余りに長く食した事が無いから、
新鮮さにただ感じ入ってしまったんやろか?
ミカンってこんなにおいしかった?と思い、
廻りに居合わせたスッタフ達に
「瀬戸田のミカンや。お前らも食べてみいや。」と
平静を保って、さりげなく勧めたら皆が「美味しいー!」
「そやろ。おいしいやろ!俺もそう思ったんや。」

なんて言うんでしょうか。
果汁はもちろん瑞々しくて甘いのですが、
フルーツは食べ慣れているのに、驚く程インパクトが強いのです。
言ってみれば、太陽と土の味がする。更に作り手の意地というか
愛情がギュッとつまってるような・・・
(アカン。この表現力の少なさ。ソムリエにはなれん。)

とりあえず、これだけ美味しいんやったら、
もっと貰おうとおっちゃんに電話を入れてみると
「ミカンは12月、1月で収穫は終わり。
オレンジ採りに行ったついでに枝に残っていたもんや。」と言われました。
じゃ、なんでこんな美味しいのって聞くと
これが自然の摂理。
収穫期を終えた木でも数は少ないが実は付けるそうです。

もともと、植物が実を付けるのは種子を残して子孫をつくる為。
枝に実そのものが減ると、そこにエネルギーを注ぐので
当然美味しくなるそうです。
だから、シーズン始めより後になる程、美味しくなる。
ましてや、今回のミカンのように収穫期を終えた実は
一層、美味しいらしい。

「ほんなら、来年からそれちょうだい」と言っても
「そもそも時期はずれやから数はないし、
あくまでオレンジ採りに行った時に
たまたま残っていた物で、それを出荷するのは無理!」
枝に残っている実は、殆ど鳥と猪のごちそうらしい。
そうかぁー。残念。
じゃ、それでも来年からは、出来るだけ最終に近い時で
このミカンに近い状態で頂戴って御願いしたら
「あぁ。わかった。」って笑いながら言ってもらいました。

こういう農家の方と話していて気付くのは、
無農薬や減農薬といった手法もさることながら
皆さん本当に土づくり信念を持っていらっしゃる。
如何に、その植物にとって良い土壌づくりに励むか。
植物といえども、その生命体を元気に育てると言うことに
全身全霊を掛けているか。ということなのです。
それぞれの樹が、それがもつ生命力で種を作ろうとする。
その結果として、人間が美味しいと味わえる実を結んでくれる。
まさに、「授かっている」という謙虚な心を感じます。
だからこそ、食するときに「いただきます。」なのでしょう。

それは、特別すごい事でもなく、特段自慢する事でもない。
ごくごく当たり前ですが、大事にすべき気持ちではないでしょうか。
このミカンを口に入れた味は「おいしい。」以上に、
心を豊かにしてくれる美味です。

「何とかケーキにできひんやろか。」と考えました。
シンプルに、このミカンをさっとシロップで炊いて、ジュレをかけて
ピスタチオ風味のタルトレットに、カスタードクリームを乗せて
飾ったら、美味しいんとちゃうんやろか。

まずは房から、ミカン実を取り出してっと・・・。
プチッ!

キレルワ!できんやろっ!細かすぎるって!
いやいや、落ち着いて。心を豊かに・・・。

薄皮をとるのが無理なら、そうや
薄皮を残したまま、周りの繊維質を取ったらどうやろ。
ピンセット持ち出して・・・。

ブチッ!

マジギレじゃ!!
結論。ミカンはコタツに入ってホッコリして食べましょう。

PS でも来年まで一年あります。冷静になってなんとか考えてみます。
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by point_pour_point | 2007-02-28 10:01 | スウィーツ
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